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ベイクドチーズケーキのレシピと、ベイクド〜スフレチーズケーキの配合を考える

2024.11.23 ベイクドチーズケーキのレシピと、ベイクド〜スフレチーズケーキの配合を考える

みんな大好きチーズケーキ。どっしり重たいチーズケーキ、ふわふわのスフレチーズケーキ、やわらかく食べやすいチーズケーキ、レアチーズケーキ、チーズタルトなどなど、お好みのチーズケーキがあるかと思います。
ここでは、わたしがずっとつくっているクリームチーズを使ったごく一般的なチーズケーキのレシピを紹介します。

材料

(5号ホール=直径15㎝の型 又は パウンドケーキ型 1台分)

♢材料

クリームチーズ 200g

砂糖 50g + 30g(メレンゲ用)

卵 2個

生クリーム 160〜170cc

ヨーグルト 30〜40g

薄力粉 40g

レモン汁 1/2個分

ラム酒 20〜30cc

♢下準備

・クリームチーズは室温に戻しておく

・卵黄と卵白を分けておく

・型にクッキングシートを敷いておく

レシピ

①大きめのボールにクリームチーズを入れ、木ベラ・木しゃもじなどで柔らかくなるまで混ぜる。

②砂糖50gを加え、混ぜる。

③卵黄を少しづつ加え、混ぜる。
均一に混ざって欲しいので、一気に加えずにちょっとづつ混ぜる。

④生クリーム・ヨーグルトを少しづつ加え、混ぜる。

⑤薄力粉をふるい入れる。
粉ふるいがあればいいが、この量だと茶漉しなど小さい機器でふるいいれても良い。

ダマにならないように混ぜるべし。薄力粉をボールの外側の方へ押しやり、ボールの真ん中あたりをぐるぐる混ぜ、少しづつ薄力粉を生地に含ませていくイメージ。

⑥レモン汁・ラム酒を加え、混ぜる。

⑦オーブンの予熱をON。180℃に予熱する。

⑧別のボールでメレンゲをつくる。一回りくらい小さいボールに卵白を入れ、砂糖(30g)のうち、小さじ1程度を加える。ハンドミキサーの低速で軽くほぐす。

⑨残りの砂糖の1/3程度を加えてハンドミキサーの高速で泡立てる。荒めの気泡がたち、ふわふわとしてきたら、残りの砂糖の1/3程度を加え、中速に切り替え、泡立てる。

10. 残りの砂糖は2回くらいに分けて加え、メレンゲを完成させる。
メレンゲは、「7分立て」にする。これは、ハンドミキサーのハネで生地を少し持ち上げたとき、生地の先端が少し垂れる程度。

11. ここからは、木べらはやめてゴムベラで混ぜる。チーズの生地にメレンゲを2〜3回に分けて加え、混ぜる。
メレンゲの泡を壊さないように、生地を切っては底からひっくり返すようにして混ぜる。

12. 生地ができた!型に流し込む。
型の8分目くらいが目安。もし生地が多い場合は、別の器で焼くと良い。

13. 180℃のオーブンで40分程度焼く。
途中、色づきが早いようなら、温度を調整する。アルミホイルを上から被せ、焦げないように注意する。

14. 完成!オーブンから取り出す。
粗熱が取れたら型からはずして、冷蔵庫で保存。1〜2晩寝かせると生地が落ち着いてよりおいしい。

レシピの解説

材料のカスタマイズ方法

砂糖のうち10g程度をはちみつに変更するとコクが出て良いです。
それから、薄力粉ですが、薄力粉+アーモンドプードルにするとよりおいしいです。この場合、アーモンドプードルは小麦粉より食感を柔らかくするので、生地の柔らかさを先のレシピと同一にするためには粉全体の分量を少し増やすと良いです。薄力粉30g+アーモンドプードル20g=粉類50gみたいな。

スフレチーズケーキになるためには

このレシピは「そんなにふわふわしてないが、どっしりチーズ感の強いとは言えないくらい」のオーソドックスなチーズケーキです。メレンゲを立てずに、溶き卵を加えるだけにすると、もっとどっしりした食感のチーズケーキになります。
どこからが「ベイクドチーズケーキ」で、「スフレチーズケーキ」とは何が違う、という話ですが、
ふわふわスフレな食感が好きなら、卵白を増やすとスフレ感は増します。卵黄2個分+卵白3〜4個分みたいな分量で。増やした卵白1個につき砂糖も10g程度増やしてください。型は5号ホールだと小さいので、6号ホールを使用ください。
食感を軽くしたいなら、牛乳を少々加えるのもいいです。

液体と個体の割合を保てばいい

このレシピは、おおよそ【液体220cc+個体240g+卵2個】の構成です。

洋菓子は化学です。各材料には働きがあり、その能力にも限界があります。
固形のもの(クリームチーズ)と液体のもの(レモン汁、ラム酒、生クリーム、ヨーグルト)のバランスが崩れないようにだけ注意してください。クリームチーズ、レモン汁、ラム酒など風味を出すものの量は好みで調整すると良いです。
基本的に、液体が多いと生地は柔らかくなります。ただ、液体が多すぎると、生地がうまくまとまらないです。
お好みのバランスを見つけてみてください。

甘味と酸味の割合も気にして

材料のうち、甘味は砂糖、酸味はヨーグルトとレモン汁によって加えられています。レモン汁もヨーグルトも、入れなくてもチーズケーキは成立します。ここは好みなので、自分好みにアジャストしてください。
自分でつくると、好みの味にできるところがいいですね。

「ベイクド」チーズケーキはヨーロッパ生まれ

チーズケーキの起源は、諸説あります。
まず、発祥の地は、ギリシャらしい。ただ、現在のチーズケーキとは随分違うものだったようです。いま現在みんなの口に入っているようなチーズケーキは、ポーランドで発明されたもので、これがベイクドチーズケーキの起源とのこと。イギリス発祥説もあるようです。経験上、イギリス、フランス、オーストリア、スペイン、ポルトガル、北欧諸国などヨーロッパを旅して、カフェでケーキを選ぶときに、いわゆるチーズケーキ的なものをあまり見かけなかったので、チーズケーキがヨーロッパ由来なのは意外です。
確かに、ヨーロッパは酪農が盛んで、チーズやヨーグルトの種類が豊富なので、チーズを甘くしてお菓子にするという発想も自然な気はします。

個人的には、チーズケーキはアメリカのイメージがあります。完全にスタバのニューヨークチーズケーキのせいかもしれません。おいしいですよね、スタバのチーズケーキ。どっしり系筆頭です。
これも、ポーランドからの移民がアメリカにチーズケーキを伝えたことにより発展し、現在のスタイルのニューヨークチーズケーキが生まれたとのこと。

最近流行りのバスクチーズケーキは、その名の通りバスク地方(スペインとフランスの東の方の国境あたり)発祥です。濃厚でクリーミーでおいしいです。

「ふわふわスフレ」チーズケーキは日本生まれ

りくろーおじさんのチーズケーキみたいな、ふわっふわのチーズケーキは、日本風のチーズケーキです。また、ケーキというよりパンに分類されますが、北海道の模様がかわいいヤマザキ製パンさんの「チーズ蒸しケーキ」はロングセラーですね。パンにしても、日本人はふわふわ食感が好きなので、チーズケーキも日本の文化に合わせて変化を遂げたのでしょう。

スフレチーズケーキは、ふわふわをつくる成分が多い分、相対的にチーズの含有量が少なくなるので、わたしはチーズの味を楽しむ系のチーズケーキ(ベイクド系)の方が好きですが、スフレチーズケーキもおいしいです。

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